相続対策としての不動産購入について
相談内容

私は将来のキャッシュフローを勘案した結果、相続対策として不動産を購入することにしました。全額を現金で賄うことは難しいため、借入をすることにしました。不動産投資する際には「レバレッジ」を効かせろと聴いたことがありますが、具体的にはどの様なことでしょうか?
因みに、総額8,000万円の物件で、ネット収入は800万円、3,000万円を自己負担で賄い、5,000万円を金利3%、25年のローンを組む予定にしています。

不動産鑑定士の回答

一般に他人資本を導入することで同額の自己資本でも、より高い利益率が上げられることをレバレッジ効果と呼びますが、不動産投資の場合、金融機関から資金を借り入れることにより、より効率の良い投資をすることを言います。換言すれば、物件の生む収益が調達コストを上回っている状態をレバレッジが効いていると言う訳です。

1)査定方法
物件の生む収益が調達コストを上回っている状態とは、次の状態にあることを指します。

ローン定数 < 実質利回り < 自己資本利回り

(1)ローン定数とは
ローン定数とは「年間返済額÷ローン残高」で計算します。

(2)実質利回りとは
実質利回りとは「ネット収入÷不動産価額(諸費用を含む)」で計算します。
また、ネット収入とは「年間家賃収入−運営費−空室損」で計算されたものです。

(3)自己資本利回りとは「キャッシュフロー÷自己資金」で計算します。

2)本件の場合の計算例

(1)ローン定数
年間返済額÷ローン残高 = 約285万円(※)÷5,000万円=5.7%
(※)金融電卓やパソコンで計算します。

(2)実質利回り
ネット収入÷不動産価額(諸費用を含む)=800万円÷8,000万円=10.0%

(3)自己資本利回り
キャッシュフロー÷自己資金=515万円(※)÷3,000万円≒17.2%
(※)キャッシュフロー=ネット収入−年間返済額=800万円−約285万円

(4)結論
ローン定数 < 実質利回り < 自己資本利回り=  5.7% <  10.0% < 17.2%

となり、レバレッジが効いていると言えます。

仮に、全額自己資金で賄う場合は、自己資本利回りが実質利回りと同率となり、レバレッジ効果は得られません。