セクシュアルハラスメント
相談内容

当社女性従業員より、男性上司より、仕事中に身体を触られる、終業後に男女関係を求められたのでセクハラされたとの相談がありました。男性上司の行動はセクハラにあたるのでしょうか。また、当社としては、どのような対応をすればよろしいでしょうか。

弁護士の回答

セクシャルハラスメントとは、広くは相手方の望まない性的な行為と定義されますが、雇用との関係では、一般的に雇用上の関係を利用して行われる、相手方の望まない性的な行為と定義されます。セクシャルハラスメントが社内で生じた場合には会社として速やかに適切な対応を取ることが必要です。

1 セクシャルハラスメントの種類
セクシャルハラスメントは、対価型セクハラと環境型セクハラに大別できます。対価型セクハラと環境型セクハラの具体例は次の通りです。

 (1) 対価型セクハラ
   性的関係を求めたところ部下が応じなかったことから解雇、配置転換を行う
 (2) 環境型セクハラ
   従業員の肩や腰にたびたび触れるなどの身体接触型、性的な噂を流すなどの発言型、スクリーンセーバーに女性のヌード写真を利用するなどの視覚型

2 セクシャルハラスメントの法律上の責任

 (1) 民事上の責任
セクシャルハラスメントの加害者は、被害者に対し、故意又は過失により他人の権利を侵害し他人に損害を与えたことから損害賠償として慰謝料支払い義務を負担します(民法709条)。また、会社は、従業員が個人的に起こしたセクハラであっても、被用者には使用者責任又は安全配慮義務違反に基づく債務不履行責任により、従業員と連帯して損害賠償責任を負担することがあります。

 (2) 刑事上の責任
セクシャルハラスメントの悪質性が認められ、被害者が強制わいせつ罪等で刑事告訴した場合、逮捕勾留後、公訴提起を経て有罪判決を受けます。逮捕勾留がなされた場合、最大23日間の身柄拘束がなされ、さらに、有罪判決までは2か月程度の身柄拘束がなされることから、刑事上の処罰はもとより勤務先からの解雇を予想されます。

[本件の場合]
被害者及び加害者からプライバシーに配慮したうえヒアリングを実施し、調査の結果、被害事実が明らかになった場合、加害者への就業規則に基づいた処分を行うとともに、被害者の希望があれば加害者へ謝罪することを勧めるべきです。また、被害が深刻な場合には、被害者の希望がある場合には刑事告訴手続において必要な支援を行うことが必要となります。